SF入門にオススメという評判で読んでみました。
SFというには物足りないですが、いい話を読んだなという満足度が高い。
読書感想 -『旅のラゴス』
人々が超能力を獲得しだした「この世界」で、ひたすら旅を続ける男ラゴス。
旅の先々で出会う人々との交流で、この世界のあり方が見えてくる。
生涯をかけて旅をするラゴスが辿り着いた場所とは。
『旅のラゴス』あらすじ
ネタバレありで感想をまとめたいと思います。
※漫画『少女終末旅行』のネタバレも含まれるのでご注意ください。
-- まさかの号泣
一番最初の集団転移の場面で号泣したの私だけ・・・?
バッド・トリップしかしていないらしいなという言葉からの、ポルテツの集団転移の準備の様子、不安がすごい中でのラゴスによる指示の時にもう泣き出していました。あの長台詞、仁愛が溢れまくっててやばくないですか。
そして「われわれは良いトリップをした。」で終わるの最強に良い。
バッドトリップの伏線回収!涙腺崩壊とはまさにこのこと。
この小説の中で一番かっこいいシーンここですよね!
この話でこの世界はどういうものであるかがスッと理解できます。
ここからどうSFになるのかが楽しみでした。
-- スカシウマ
スカシウマの頼れる相棒感で安心して旅を見守れます。
「カカラニと一緒!」を繰り返すスカシウマたまらない。
スカシウマとはどんな動物なのか、巨大で四つ足ということしかわからないのですが、馬っぽいけどおそらく独自の進化を遂げた別の生物なのだと思います。
他にもミドリウシやバラウマが出てきますがどんな生き物なのか。
そもそも、ラゴスたちがどんな生物なのかもわからないですよね。
勝手に地球人の子孫だと思ってしまうけど、全然関係ない別の宇宙人の子孫なのかもしれない。
こういう背景を想像するのが楽しいです。
-- できる男、タッシオ
タッシオもスカシウマと同じくらい強キャラ感あって安心します。
2回も追いかけてくるの、なかなかな信奉度合い。親元にも帰らず何をやっているんだw
本人的にも、もうラゴスの息子なのかもしれない。
ラゴスは何のために家出したのかと思う体たらくですが、タッシオはちゃんと自分の目標を達成してて良いです。いい人生だね。
-- 旅の目的
最初の旅の目的は先祖の本を読破することだったけど、読み切ったって描写はないから読破はできなかったってことでいいんですよね?
その知識を故郷に持ち帰るっていう強い意志もなさそうで、本を読んだのは自己満足のためが大きいと思う。
むしろ旅をすることが旅の目的になっているような。
人生の目的は生きること、みたいな感じですね。
-- 旅の終着点
最後の流れはまるで『少女終末旅行』のようでした。
生き残りたいから進むんじゃなく、たどり着くこと以外の選択肢がない感じ。
どちらも絶望と希望が入り混じったラストです。
私的には、氷の女王はいなかったと思う。
でも、悔いなく満足する最期を迎えられると思うので、ビターエンドかなと思います。
この終わり方すごく好きです。
ドネルの正体はさっぱりわからず、考察を読んでタリアの息子説が有力かなと思います。読んでる時に思い出さなくて悔しい!
ファンタジーの旅もの、かなり好きです。
『キノの旅』や上橋菜穂子氏の『守り人シリーズ』などの作品は人生のバイブルです。
違う文化、風俗の中でも、人の本質は私たちと変わらない。
ガンダムもだけど、結局物語のメインはヒューマンドラマなんですよね。
ファンタジーや世界観はそれを引き立てる舞台装置に過ぎない。
ファンタジー、SFっていいなと改めて実感する小説でした。