読書感想 -『三体』(第一部)
SF小説として必ずオススメされる、中華SF『三体』。
日本語版の三部作を、約4ヶ月かけてようやく読み終わりました。
SF好きは絶対履修した方がいい!ミステリー好きにもおすすめ!
第一部は特に、読み進めるのにかなり苦労します、、ですが是非挑戦していただきたい!
私ももれなく三体ロスになりました。
この記事は日本語版の三部作と、Netflixのドラマ第1シーズンのネタバレ全開です。
第一部はモチーフについて、第二部は起承転結に分けて、第三部は人物への感想、それぞれ別の角度から感想を書き綴りたいと思います。
もくじ
『三体』 第一部 読了
文化大革命で父を奪われた天体物理学者・葉文潔。絶望の果てに彼女が下した決断は、その後の人類の運命を大きく揺るがしていく。
それから数十年後。ナノマテリアルの研究者・汪淼は自身も摩訶不思議な現象に翻弄されている中、科学者たちの連続自殺を追ううちに謎のVRゲーム「三体」に足を踏み入れる。
『三体』あらすじ
読み終わってすぐの感想は「まるでパッチワークのような作品」でした。
歴史小説から始まり、差別、迫害、虐待、粛清、そして禁足地。
中国の風俗から、森林破壊などの環境問題、最新科学、宗教、戦争、ハードボイルドから人類哲学まで。
「どこかで読んだことがあるような」と思わせつつ、全てを繋ぎ合わせた先のカタルシスが最高でした。
第一部については「印象的なモチーフ」から感想を書いてみます。
【 文化大革命 と 紅衛兵 】
中国の文明と文化をリセットした紅衛兵の物語
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恥ずかしながら三体を読み始めて、初めて『文化大革命』と『紅衛兵』を知りました。
天安門事件よりやばい出来事なのに知名度低すぎると思います。
あの九龍城砦も文化大革命があったから生まれたと言っても過言ではないようですね。
【無法都市】香港に実在した犯罪が蔓延る最凶の高層スラム/九龍城砦【ゆっくり解説】
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三体の一番の悲劇は、文化大革命なんだと思います。
これさえなければ、太陽系が二次元化することはもっともっと後のことで、もしかしたら光速船で多くの人が逃げることもできたのかもしれない。(葉文潔があの施設に行かなければ回避できたんだけど、、)
「大いなる力には大いなる責任が伴う」
その大いなる力を与えた側が悪いことは言うまでもありません。
【 沈黙の春 】
沈黙の春(レイチェル・カーソン)
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翻訳版を読んでみたのですが、バタフライ・エフェクトみたいな話だなと思います。
文化大革命もそうですが、良かれと思って行ったことが思いもよらないことになることをじんわりと感じます。
Netflixのドラマ第1シーズンラストを見て思ったんですが、「人間が虫を駆除するために、人道的でない殺虫剤をどれだけ使おうとも、虫は適応し、駆逐できない」=「人類は滅亡しない」と言うことの伏線だったのかも。
【 SETI 】
地球外知的生命体探査、セチ。
『SETI』と『フェルミのパラドックス』を考え尽くした先に『三体』があるのだと思います。
【 ナノマテリアルと軌道エレベーター 】
【希望】宇宙エレベーターが完成することによって実現する素晴らしき世界
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軌道エレベーターを実現するために必要なのが、ナノマテリアル(カーボンナノチューブ)。その技術を封じるというのは、なかなかいい嫌がらせだと思います。
【 射撃手と農場主 】
射撃手と農場主 - Three Body Problem wiki
三体wiki.jp
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読んでた時は、そういう一般的な例えがあるのかと思ったのですが、作者がオリジナルで考えているっぽいですね。
現在、「絶対不変の原理」と思われていることが実はそうではないのかもしれない。
宇宙は膨張していると考えられているけど、もしかしたら局所的に膨れているだけでその外は定常なのかもしれない。
第三部を読むと、「意図的に作り出された物理定数が存在していること」を仄めかしている伏線だったのかも?
【 VRゲーム 】
あのゲームの『制作者』は誰なのでしょう。
地球人がプログラムを書いたのか?それとも三体星人?
三体世界からは『ソフォン』のみが地球に干渉できるので、『ソフォン』を通してプログラムを送ってきた可能性もあるかもしれません。
ゲーム内設定は誰が考えたのでしょう。
文明が進むと少しずつ時代が進んでいくシナリオは、地球人に体感しやすい流れで分かりやすかったと思います。
【 宇宙背景放射 】
【果敢】宇宙の果てに行った者の末路...
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ビックバン(インフレーション仮説)の証明となった『宇宙マイクロ波背景放射』。
相対性理論くらい理解できてないです、、
これを点滅させるという発想が面白いw
『ソフォン』はどうやってこの明滅を見せたのでしょう。機械数値と網膜?地球に到着する光に干渉?
【 モールス信号 】
モールス信号が理解できたら強い。
対応表を見ながら解読するのが現実的だと思うのです。
(アニメ『終末トレインどこへいく?』で突然モールス信号で会話始めるの面白すぎるから是非見てほしい。)
光でも音でも送信できるのが強すぎる。
【 白酒 】
中国の危ないお酒といえば白酒。
バイチュウだと思ってたのですが、パイチュウ・バイジュウが正式な読み方らしいです。
大史と汪淼が中国の居酒屋で食事するシーンがかなりワクワクして好きです!
中国人の普通の日常を垣間見れて良き!
【 電子レンジ 】
葉文潔が電子レンジを見てびっくりする。この時代背景描写が素晴らしい。
よくわからず使ってる家電多すぎますね。家電の仕組みを教えてくれて満足できるアニメ『宇宙人ムームー』オススメです。宇宙人侵略ネタだし!
【 太陽の動き、飛星、コペルニクス 】
ユーザー名を『コペルニクス』にするの、めっちゃエモいですよね。
全ては物理現象。どう説明するのが一番煩雑でなく、美しい真理か。
ゲームの中のここら辺の学術の進歩を感じるのが、かなり楽しかったです。
【 ポアンカレ予想と三体問題 】
NHKの『笑わない数学』を見ていたのでついていけました。予習済みだったぜ!
最初「3body.net」が出てきた時に「おお〜タイトル回収きた〜!!」と思いましたが、その後も続くタイトル回収にうぉ〜〜〜って感じでした。
汪淼は素直でストレスなく色々回収してくれるので、悪くない主人公です。
(家族がいるのに楊冬に惹かれたり、ソフォンに振り回されている様が残念ではある)
【 ノイマンとコンピューター 】
Ω < コンピューターフォーメーション!!!
マジで人力コンピューターのシーン好きです。
Netflixのドラマで再現してくれて嬉しかった!
中国ならできるかも、って何故か思ってしまう。
個人的にノイマンとチューリングを混同してしまうので気をつけます。
【 ロシュ限界 】
【 カイパーベルトとオールトの雲、アルファ・ケンタウリ 】
🌎 宇宙旅行シミュレーション ✨ 宇宙の果てまでご案内
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宇宙の話で何度も聞く単語たち。
まさか太陽系に一番近い天体に生命がいる、しかも三体問題のある三つの太陽を持つ惑星を舞台にするなんて、発想の勝利だと思います・・・!ワクワクが止まらない ・・・!
光速ですら4年かかる距離、三体世界までの距離は、とてつもなく広い。
【 山里暮らし 】
小説の中の集落の暮らし的なエピソードが好きなので、主要メンバーを殺した後だったけど癒されました。
葉文潔にとっては一番平和な時だったけど、もうその平和の中には戻れない状態になってて、皮肉です。
【 結婚 】
この小説の中で婚姻関係を結ぶ描写が時々ありますが、どれも政略的な側面が強くて、なんか普通の結婚じゃない感じ。
愛がある夫婦の描写ありましたっけ?
汪淼は家族とそれなりに幸せに暮らしてますね。
ビル・ハインズと山杉恵子は愛がありそうだったのに・・・。
【 ジャッジメントデイ 】
審判の日、船の名前がカッコ良すぎる。
第二部以降の宇宙船の名前も、どれも日本人じゃ付けなさそうな名前でかっこいい。
【 奇策 】
伏線回収が気持ち良い奇策でした。大史の立案だからいい!
NetflixドラマでのB級感のある船内の様子怖かったです。グロい!
【 11次元 ミクロコスモス 】
「世界は11次元で出来ている」と、前に超弦理論を読んでて目にしました。
ソフォンの圧縮の次元数はここから来ているのかな〜と漠然と思いました。
話はズレますが、第三部で4次元空間の説明で「合わせ鏡」の例えが出てきたのわかりやすかったです。
【 量子もつれとテレポーテーション 】
【瞬間移動】テレポーテーションをするとどうなるのか?
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量子力学の光速を超える情報伝達は、ほんと意味わからないですね。
双子が遠くにいても通じ合うのは、この量子もつれだと思うんですよね〜。
虫の知らせも。
【 蝗害 】
人間を負かす虫の描写として、かなり的を得ていたと思います。
バッタ恐ろしい。これをオチに持ってくるのめっちゃ気持ちよかったです〜!
【 人類の落日 】
最期の言葉としてカッコ良すぎる。
Netflixドラマのこのシーンも良かったです。ジーンときた。
まさか攻めてくるのは400年後なんて、ほんと最後までびっくりです。
そんなわけで、原作第二部の感想に続きます!
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