映画感想 -『映画ちいかわ 人魚の島のひみつ』 それぞれの視点から物語を振り返る
皆さんはもう見ましたか、映画・ちいかわ。
11月1日で公開から100日。
真夏に公開された本作を、肌寒くなってきた本日11月3日(火・祝)、見てきました。ほぼ満席でした。すごい。
巷で大ヒットと言われていても、全く興味がなかったのですが、下記の動画でポロッと話題になってめっちゃ興味が出たので、見に行くことにしました。
初耳怪談から【重大なお知らせ】があります。
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ちいかわのストーリーに触れたのは今回が初めてです。
これは確かに、ただ可愛いだけのキャラ物ではなく、伏線が散りばめられて考察のしがいのある見事な脚本でした。
私的には、もっとえげつないものを想像していたので、若干拍子抜けではありましたが・・・しかし、最後の場面を見れてにっこりして劇場を後にできたので、満足はできました!
今更私がまとめるほどではないですが、自分自身の感想をまとめておきたいので、今回はネタバレ全開でそれぞれの陣営から見えていたものからまとめてみたいと思います。
もくじ
ちいかわ視点
視聴者はちいかわと同じ流れでそれぞれの状況を知ります。
まずは「怪しい討伐依頼」。
文面があまりにも高額収入バイトすぎて怪しすぎます。このチラシによって、生贄を集めているとかもっとえげつない事情があると想像してしまったのですが、実際はそこまでじゃなかった。平和な世界だった。
島に着くと、「島民から大歓迎される」。
たくさんの屋台に美味しいもの、おしゃれな宿泊施設、たくさんの花火、全て無料のおもてなしのようです。・・・タダより怖い物はない。どんな地獄に叩き落とされるのかと思いましたが、実際はそこまでじゃない。真実を知ってから逃げることもできるしね。
初日の夜、「セイレーン側の事情を聞かされる」。
どうやら、島民には悪い奴が紛れている。もしくは、島ぐるみでセイレーン側を襲っているのかもしれません。仲間が食べられたからって、貢いでくれている島民を食っていくセイレーンの暴君ぶりにも疑問を持ちます。
翌日、「島民側の事情を聞かされる」。
島民から正式に討伐依頼の内容が明かされ、セイレーンの襲撃が来ます。
そのどさくさで、ヒトハとフタバの家にあった本から、人魚の肉を食べると永遠のいのちが手に入るようだ、ということを知ります。
家から出てみると、先生が囚われの姫状態になっており、「仲間を助けに行く」。
セイレーン側についた方がいいのか、島民側についた方がいいのかは決めきれませんが、仲間を助けることは疑う余地はありません。
島二郎の助けを借りて、仲間を助けます。
そして、皆に流される形で「襲ってくるセイレーンを倒す選択をする」。
カレーを食べさせるというやばい発想好きです。
ルーを探す中で、ヒトハとフタバの家から人魚の鱗を見つけ、彼らへの疑いを強めます。
キャロライナリーパーが出てきた時面白すぎましたw 知っててよかった激辛唐辛子知識!
それを食べさせられて悶えるセイレーンまじで可哀想だったし、エロ・・・申し訳ないけど可愛かった!!
セイレーンはもう島民は襲わないと約束してくれました。
しかし、ちいかわは人魚を食べた犯人を見つけてしまいます。
そこで最後にとった行動は「何もしない」。
もし、セイレーンがまだ襲ってくる状態だったら、セイレーンに犯人を教えた方が他の無実の島民が食べられることはなくなるので意義があります。
しかしちいかわには、もうセイレーンは犯人探しは諦めたように見えたので、何もしないことしか選択肢はなかったと思います。
このタイミングで誰が犯人なのかを伝える脚本、程よくモヤモヤさせず、すごくいいなと思います!
島民視点
犯人以外の島民視点で物語を追ってみます。
最初は、セイレーンが怖くて、でも恩恵もあって「貢ぐ」。
セイレーンへの貢物を用意するのは大変だし、怖かったと思いますが、その分自分たちの生活も豊かだったと思うので、win-winですね。
しかし、「突然セイレーンに襲われるようになる」。
突然次々と島民が襲われて行方不明になります。
島民たちにはなぜ突然セイレーンが島民を攫っていくのか、原因は分かりません。
そして、「嘘の討伐依頼を出す」。
普通の討伐依頼では人は集まらないので、誇張したチラシをばら撒いてもらいます。
集まってくれた人々を最大限もてなし、自分たちを助けてくれるように伝えます。
最終的には目的(セイレーンが島民を襲わない状態)が達せられたので、喜びます。
島二郎視点
ちいかわの世界観に、この人いていいの・・・?
まずは「島民と接点がない」。
島民(ちいかわ族)とは違う種族のようです。
どちらが先にこの島に住んでいたのでしょう。
1人寂しくサバイバル生活をしているようです。
そして、セイレーンにも島民にも「関わらない」。
全て傍観している様子。初めて接点が出来たちいかわ経由で物語に関わります。
でも本当は、「セイレーンと渡り合える強さを持っている」。
島民は嘘の討伐依頼を出さずとも、最初から島二郎に助けを求めれば、セイレーンを討伐できたのでは?と思いました。
島民と少しでも接点があれば、島民の犠牲が増える前にセイレーンの討伐ができていたかも。
セイレーン視点
セイレーンは欲望に忠実。
でも同じく欲望に忠実なモモンガよりも対話が出来るので、すごく可愛かったです!
まずは、「島民から恐れられ、敬われ、貢がれる」。
島民から美味しい食べ物を貢がれ、楽しく暮らします。
セイレーンのおかげで島民側も島の作物がよく育ち、win-winの関係でした。
しかし、ある日突然、「仲間を殺される」。
どうやら、島民の誰かに仲間が食べられてしまったようだと知ります。
セイレーンは、人魚を食べると単三電池で動く体となり、永遠に生きられることを知っています。
そして、犯人を見つけるまで、「島民を食べまくる」。
やられたことをやり返します。慈悲はない。
セイレーンの立場であれば、貢がれるご飯も島民を食べるのも大差ないのかなと思います。
ついに、「犯人を見つける」。
分かった!分かった!は、もう島民を襲わないことについてではなく、犯人が分かったという意味でした。
犯人を檻に入れて沈めておくため、捕まえに行きます。
ヒトハ・フタバ視点
『人魚の肉を食べると永遠のいのちを手に入れられるかも』、その知識さえなければ、こんな数奇な人生にはならなかったですね、、そういう意味では気の毒です。
まずは、島民として「セイレーンに貢ぎ、恩恵にあずかる」。
傍若無人なセイレーンの態度も、しょうがないと受け入れています。
そして、「セイレーンに殺されかける」。
死にかけのフタバを見て、ヒトハはセイレーンに対して怒りを覚え、人魚の肉を手に入れることを決意します。
美味しそうな煮付け。美味しそう。
そして2人は、単三電池で生きる体になります。
その後、他の島民たちが食べられていく中、「何も知らないことにする」。
ハチワレから炭酸が欲しいと言われ、単三だと勘違いしてしまいます。
ここの伏線、ほんとすごい・・・!!
セイレーンに体から出た単三電池を見られ、島を逃げ出すことを決意します。
ここまで逃げれば大丈夫、のはずが・・・。
それぞれの陣営の罪
セイレーンの罪
やはり、無差別大量殺人は外せません。
大量に島民を殺していれば、いつかは討伐されても仕方ないですが、セイレーンの立場なら、この選択肢が最も効率よく犯人探しを出来るでしょう。
しかし、元凶は傍若無人な態度でしょうか。
島民を無下にせず、配慮出来ていたなら、仲間を食べられるところまで追い詰めなかったかもしれません。
・・・人魚の肉の秘密を知っていて、大事な人が死にかけていたら、セイレーン側に罪はなくても人魚は食べられていたようにも思います。
ヒトハ・フタバの罪
まずは、セイレーンたちが遊んでいるところから離れなかったことかなと思います。自分たちより大きな生物がキャッキャしているところなんて危なすぎる!危機管理がなってない!巻き込まれ事故で自業自得に見えます。
そして、人魚を殺し、食べたこと。
他の生物の命を奪う。みんな食べるためにやっていることですが、それがどんな報復を受けるか、考えたほうがよかったと思います。
でも、フタバのために他の全てを犠牲にする覚悟があったのなら、しょうがないです。
あとは、自分たちのせいで犠牲になる島民に対して、見て見ぬふりをしたこと。
自分たちが無事に生き残るためには仕方ないことですが・・・周りの島民視点だと罪が大きいです。
結論:どんな人にもオススメできる映画!
前述の動画でのイメージだと、もっとえげつない話なのかと思ったのですが、むしろいろんな視点で見方が変わるので、情操教育にも良いのでは(極論)。
子供向けだと思われている作品で、殺人を扱うのはヘビーかもしれませんが、ミステリ物なら殺人は普通だし、全然怖い話じゃなかったです。
そこまで身構える必要はなく、どんな人にもおすすめ出来る映画だと思います。
ちいかわ映画の前評判で、「煮付けが食べられなくなる」だけ聞いていたのですが、むしろ美味しそうじゃないですか!
鯛は良くて、人魚はダメってことですか?人魚だって美味しく食べられた方がいいに決まってる!
セイレーンが昆布巻きにして味噌漬けにして美味しく食べようとするのと一緒ですね。
悪いことをすれば報いが来る。セイレーンもヒトハもそれぞれの行いの報いを受けている、という見方になるのではないでしょうか。
ちいかわ、見事にハマったかもしれません。
セイレーンのキャラデザが好みすぎてグッズ欲しいです・・・!